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【福島民報】 【県内各種選挙】自らの意志一票に託せ

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 南相馬市長選がきょう、告示される。2006(平成18)年の原町、小高、鹿島の3市町合併後、4回目となる市長選は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故を経て、復興のかじ取りを誰に託すかを選択する重要な選挙だ。有権者は、民主主義の根幹である選挙で、ふるさと復興のために託す1票を必ず投じてほしい。
 県内では今年、任期満了に伴う選挙として秋に知事選が控えているほか、南相馬市を含めて13市町村で首長選があり、4市で市議選が予定されている。住民に直接影響を及ぼす選挙がめじろ押しだ。ただ、選挙のたびに問題となるのが投票率の低下に歯止めがかからないという現実だ。
 昨年10月に行われた衆院選の小選挙区の投票率は戦後最低だった前回の52・66%をわずかに上回ったものの53・68%で戦後2番目の低さだった。本県の小選挙区も全国平均は上回ったが56・69%にとどまっている。投票率の低下が全国的傾向であることは否めない。全国の市町村長選挙の平均だけをみても戦後から1960年前後(昭和30年代)までは80%を超えていたが、最近は50%を切る状況にまで落ち込んでいる。
 明るい選挙推進協会が、国政選挙の際に棄権した人に「なぜ投票しないか」を調査したところ、「適当な候補者も政党もない」が最も多かった。「選挙に関心がない」「候補者の違いがよくわからない」が続いたという。有権者の半数近くが選挙権を自ら放棄しているという現状は、もはや日本の民主主義の危機という他ない。
 民主主義とはそもそもギリシャ語のdemos(人民)とkratia(権力)という2つの語が結合したdemokratiaに由来する。民主主義を具体化させたものとして日本国憲法は「国民主権」を掲げた。民主主義が機能するには政治的権利の獲得、つまり参政権の拡大が必要で、そのために重要なのが選挙権となる。投票に行かないという選択は民主主義を否定しているとさえいえるのではないか。
 新たに選挙権を持った18歳、19歳、さらに20代の若者には特に、まず自らが持つ選挙権の意味をもう一度しっかり考えてみてほしい。身近な首長選や議員選でこそ、民主主義がより具現化されやすくなる。震災と原発事故を経てきたからこそ、自分たちのかじ取り役をより身近な存在として選ぶ必要があるはずだ。「まずは投票」。それがふるさと復興につながる鍵となる。(関根英樹)

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