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【秋田魁新報】 スタジアム整備 効果の見極めが必要だ

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 サッカーJ3のブラウブリッツ秋田(BB秋田)の本拠地とすることを想定したスタジアムについて、佐竹敬久知事は秋田魁新報社の取材に対し、新設する意向を明らかにした。BB秋田は昨季J3で初優勝したものの、J2昇格に必要な基準を満たすスタジアムがないため、昇格できなかった。これを受けスタジアム整備の議論が加速したが、今後その舞台は県議会などに本格的に移ることになる。
 佐竹氏は昨年4月の知事選公約の一つに、スタジアム整備の協議を進めることを挙げていた。同年8月には有識者やスポーツ関係者らを委員とする「スタジアム整備のあり方検討委員会」を設け、議論を促した。検討委は今月9日、昇格基準をクリアするスタジアムを秋田市の市街地に新設すべきだとする報告書案をまとめた。
 佐竹氏自身も昨春以降の会見で「県が主体になっていいものを造っておくことも必要なのかなと(思う)」(5月15日)、「一定規模のものがあっていいということで、何とかこれを実現したい」(12月25日)などと述べ、整備への意欲を強くにじませていた。新設の意向表明は既定路線だったと言える。
 今後は月内に提出される検討委の報告書をたたき台として議論が進められる。報告書には、試合のない日も人が集う多機能・複合型施設を行政主導で新設することや、県が目指す「健康寿命日本一」に向けて健康増進の機能も持たせることなどが、提言として盛り込まれる。
 ただ検討委の提言は、委員それぞれの立場から自由に希望を出したもので、建設費や維持管理費についてはそれほど考慮されていない。県は新設だと100億~150億円かかると試算している。検討委は開閉式ドームにすることが望ましいとしており、この案を採用すればさらにかかり増しになる。
 県や、スタジアム整備地となる秋田市が建設費の大半を負担することが予想される。その場合、県民や市民の理解を得られるのか、財源をどう確保するのかなどが大きな課題となる。
 魅力的なスタジアムができ、その結果としてBB秋田がJ2やJ1に昇格すれば地域が活性化し、人口減をはじめとする地域課題の解決につながるとの意見がある。とはいえ、昇格までどれだけ時間がかかるのか、その間も集客が見込め、にぎわいを創出できるのかは見通せない。今後の議論では、機能と費用、期待される効果などを十分に見極める必要がある。
 検討委の報告書案には、スタジアムを地域活性化の核にしたいとの思いがにじむ。整備主体となることが想定される県や秋田市には、スポーツが地域に活力をもたらすという考え方をどう浸透させ、整備の必要性を広く理解してもらえるかが問われる。真に求められる施設にしたいのであれば、多くの人の声に耳を傾けることが不可欠だ。

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