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【デーリー東北新聞】 民法改正 現状に合ったルールへ

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 法相諮問機関の法制審議会が、高齢化社会の進行や家族に関する国民意識の変化を踏まえ、相続に関する民法の見直しに取り組んでいる。昨年10月に公表した法案要綱の三つ目のたたき台を議論するなど、詰めの作業を進めている。
 結婚期間が20年以上の夫婦で故人が配偶者に居住用不動産を生前に贈与していたり、遺言で贈与の意思を表明したりした場合、他の相続人との遺産分割協議の対象財産としないことにする。故人の遺志を尊重したものだ。1980年に配偶者の相続分を3分の1から2分の1へと引き上げて以来の大きな法改正になりそうだ。
 この方向を推し進め、国民が納得できる使いやすい制度にしたい。社会環境は大きく変化しており、現状に合ったルールへと変える必要がある。
 法相の諮問を受けた法制審は2016年、中間試案を公表した。各界からのパブリックコメントを踏まえ、17年7月には追加試案を発表。修正を加えたのが新たなたたき台だ。
 まずは遺産分割に関する制度に注目したい。配偶者相続分の再引き上げは反対が強いため見送られたが、代わりに、故人の死後、残された配偶者には、相続開始時に使っていた建物に無償で住める居住権を認める。遺産分割で建物の帰属が確定するまでの短期居住権と、終身の長期居住権の2種類がある。
 配偶者は住居を除いた遺産の2分の1ももらえるので、住居を含む現行制度より取り分が増えるとも言える。生活の困窮化を防ぐ道が広がる。
 このほか、葬儀費用の支払いなどに充てる預貯金の仮払制度が新設され、また、遺産の一部だけを分割できることも明文化される。これまで使い勝手が悪いと指摘されてきた問題の多くが改善されることだろう。
 次の注目点は相続人のために残さなければならない一定割合の相続分(遺留分)制度の見直しだ。遺言による分配額の少ない相続人が遺留分の回復を求める法的手続きを取れば、侵害額に相当する金銭債権が発生し、分配の多い相続人へ支払いの請求ができることにする。遺産分割の柔軟な解決が期待できる一方、資金を用意できない支払い側には酷になる面もある。
 まだ課題は多い。例えば、相続開始後に遺産を処分した相続人がいた場合は処分財産を含めて遺産分割ができるとする案には、紛争を長期化・複雑化させるとして反対する意見がある。さらに議論を深め、実務を検証して、要綱案を仕上げたい。
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