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【岩手日報】 長時間労働削減 人材の確保でも重要に

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 「働き方改革」のうち、最重視するのは長時間労働対策−。そんな姿勢が県内企業に強まっている。
 岩手日報社が64社を対象にした景気動向アンケート調査によると、「『働き方改革』で力を入れる取り組み」(複数回答)に「長時間労働の削減」を挙げたのは4社に3社の割合に上った。
 昨今、残業が多い職場は就職先として敬遠される大きな要素となる。人材確保のためにも労働時間改善の実行は待ったなしと言えよう。
 幹部の指導力も必要だろうが、社員個々が提案し積み上げる手法も欠かせまい。仕事の進め方に無駄はないか、まずは職場全体で点検してみてはどうだろう。
 統計上、国内1人当たりの労働時間は減少傾向にある。勤務時間が短い非正規社員が増えているためだ。しかし、フルタイム正社員の労働時間は相変わらず長い。労働時間の二極化が進んでいる。
 長時間労働を強いられているのは男性、特に子育て世代である30〜50代に多く見られる。新規採用抑制などによって人手不足となり、企業として残業させざるを得なくなっている面もあろう。しかしこれは過労死の背景にもなっている。
 長時間勤務社員が多い企業においては、そんな労働環境の悪化が、さらに人材確保難を招くという悪循環をもたらしてはいないだろうか。
 本県は全国的にみて労働時間が長い。2012年の年間総実労働時間(事業所規模30人以上)は全国最長。その後、徐々に改善されてきたとはいえ、15年も全国で5番目に長かった。その認識を持って改善に努めてほしい。
 「ワークライフバランス」が浸透しつつある。家庭や地域活動に充てる時間をきちんと確保する必要性だ。かつては女性の社会参加や少子化対策の側面が強かったが、仕事の能率向上の観点からも効用が説かれている。
 長時間労働の解消が、働く人の意欲や効率を向上させるからだ。自己学習の機会、時間もつくりやすくなる。それは結果的に経営に寄与することになろう。
 日本生産性本部発表の労働生産性国際比較(16年)によると、日本は経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国中20位、先進7カ国(G7)最下位だった。長時間労働の弊害は表れていないだろうか。
 東北6県の経営者協会が会員企業を対象にした雇用動向調査では、働き方改革に「取り組んでいる」とした本県企業の割合は49・2%で最も低かった。とはいえ「時間外労働の削減・抑制」に取り組んでいるところは多いようだ。その内容を深め、県内に広げていきたい。
 

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