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【信濃毎日新聞】 原発ゼロ法案 道筋描く弾みにせねば

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 脱原発に道筋を付ける契機としたい。
 小泉純一郎、細川護熙両元首相が顧問を務める民間団体が「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」の骨子を発表した。通常国会に法案を提出するよう与野党の議員に支持を呼び掛けている。
 団体は都内に事務局を置く「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」で、脱原発と自然エネ推進を目指す個人、団体が思想信条の垣根を越えて参加している。
 法案は全原発の即時停止と、自然エネの発電割合を2050年までに100%とすることを柱に据えている。原発の輸出や新増設の中止、核燃料サイクル事業からの撤退も掲げた。核廃棄物の処分計画を国の責任で作り、官民挙げて実施することも盛っている。
 問題の多い原子力政策との決別をうたっている。本来なら、未曽有の事故を引き起こした政府や国会が打ち出すべき内容だ。
 昨秋の衆院選で、自民党を除く与野党がそろって「原発ゼロ」を公約していた。自民を説き伏せ、成立を期す責任がある。
 3・11後も、日本はなし崩しに原発利用を続けてきた。
 事故発生時の旧民主党政権は、討論型世論調査や意見聴取会を経て「30年代にゼロ」とする戦略を固めた。が、経済界の反対もあって戦略の閣議決定を見送り、基本計画も策定できなかった。
 安倍晋三政権は、2012年の発足直後に「ゼロ目標」を撤回した。福島の事故対応の渦中にありながら原発輸出のトップセールスを続け、中東やアジアの国々と原子力協定を結んでいる。
 原発を「重要なベースロード電源」と位置付け、新規制基準を満たした原発は再稼働すると繰り返すばかり。エネルギー政策の見直しを求める世論には耳を貸さず、実現の見込みがない核燃料サイクル事業にも固執している。大量の核のごみ、核兵器にも転用できるプルトニウムの処分にも全くめどが立っていない。
 ドイツやスイス、台湾といった国や地域が脱原発にかじを切っている。日本は自然エネの分野で高い技術力を持ちながら、導入量では欧州や中国に大きく水をあけられている。
 自然エネは既に世界の総発電量の25%を占めている。「50年までに100%」はもう夢ではない。旧民主党が試みた「国民的議論」も再開し、国会主導で、原発や石炭火力といった大型発電所頼みでない、これからのエネルギー構想を示してほしい。 (1月12日)

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