Home > 社説 > 地方紙 > 北海道・東北地方 > 岩手日報(岩手県) > 【岩手日報】 改憲と野党連携 各論には各論で対せよ
E085-IWATENIPO

【岩手日報】 改憲と野党連携 各論には各論で対せよ

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 昨年の衆院解散、総選挙を契機とした野党勢力の流動化は、議員の間で党派くら替えの動きがくすぶる中、民進党と同党から分かれた希望の党を中心に、統一会派結成の動きが本格化している。
 両党幹部は通常国会が召集される22日をにらみ、年明けから精力的に会談を重ねている。「1強」安倍政権を向こうに回し、野党がバラバラでは対抗するのは難しい。「数には数」の取り組みは、国会対策として避けられまい。
 連携の可否をめぐり、焦点となっているのは集団的自衛権行使の一部容認を伴う安全保障関連法への対応と、憲法改正への考え方だ。政党の理念や国家観に直接的に関わるテーマだけに、すんなりまとまらないのは当然だ。
 総選挙で3分裂した民進勢力のうち残る立憲民主党は、統一会派に否定的だ。民進、希望の連携構想は、同党が野党第1党から滑り落ちる可能性と背中合わせ。枝野幸男代表は「永田町の合従連衡でひっくり返すことがあれば、国民の負託を裏切る」と、不快感さえ示している。
 こうした中、年末には民進党前代表の蓮舫氏が立憲民主入りを表明して周囲をあぜんとさせた。理念や政策を詰める前段で、3党の連携は波乱含みと言えそうだ。
 この間にも、自民党は党総裁である安倍晋三首相の号令の下、改憲に向けた動きを加速させている。森友、加計学園問題の逆風下で解散、総選挙に打って出た安倍自民は、小池百合子東京都知事の「排除」発言を境に野党の勢いが失速して結果的に大勝した。
 枝野氏が「国民の負託」と言うなら、その審判を経て1強を維持した安倍首相も「負託」を主張するだろう。選挙公約で、自民党は初めて「改憲」を明文化。首相が前のめりになるのは成り行きだ。
 しかし世論は、その意欲を冷めた目で見ている。先の共同通信調査では、過半数が改憲の必要性を認めつつ「急ぐ必要はない」が67%。安倍首相の下での改憲に53%が反対してもいるが、1強多弱を背景に、そうした声が国会に反映されにくい状況が続いているのは、さらに問題だ。
 自民党は来る通常国会で、改憲の国会発議に向け9条への自衛隊明記と教育無償化、緊急事態条項、参院合区解消の4項目に関する改憲案を示す方針だ。政権が各論を示して国民的議論を喚起しようとするときに、野党側が依然、総論段階にとどまるのでは国会論戦が思いやられる。
 改憲が、いや応なく現実味を増す現状では、連携協議も与党の動きを意識した個別、具体的な議論が必要ではないか。各論はさておき妥協点を探るような連携協議では、政権に脅威とは映るまい。
 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。