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【富山新聞】 尖閣海域に中国軍 甘い期待を抱かず冷静に

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 中国海軍の潜水艦が、潜航したまま初めて沖縄県・尖閣諸島の接続水域に進入した。ようやく日中関係改善の兆しが見え始めた時だけに、政府内には落胆や困惑が広がっているが、たとえ日本での首脳会談や防衛当局間のホットライン開設が実現したとしても、尖閣周辺海域での中国の活動自制といった甘い期待を抱かず、むしろ警戒監視を強化しなければなるまい。
 防衛省によると、宮古島から大正島に至る接続水域を潜航する潜水艦と、それと一体となって航行する中国海軍のフリゲート艦を、海上自衛隊の護衛艦とP3C哨戒機が確認したという。
 日中関係は今年、平和友好条約締結40周年の節目にあり、習近平国家主席は昨年の安倍晋三首相との会談で「両国関係の新たなスタート」と述べて関係改善に動くことをにおわせた。偶発的な軍事衝突を回避する「海空連絡メカニズム」の設置案でも大筋合意に至っている。が、今回の潜水艦の動きから、中国は海洋覇権を目指す動きを決してやめず、じわじわとエスカレートさせる恐れが強いと冷静にみておく必要があろう。
 潜水艦の行動意図は定かではなく、誤って接続水域に入った可能性も指摘されるが、外国の潜水艦の動きを監視する自衛隊の哨戒能力の重要性があらためて示されたといえる。
 政府の2018年度防衛予算案には、周辺海空域の防衛体制強化策の一環として、新しい早期警戒機E2Dの購入費やP3C哨戒機の探知識別能力を引き上げるためのレーダー改修費などが盛り込まれている。
 防衛予算案では、北朝鮮の核・ミサイル脅威に備える陸上配備型の弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」や長距離巡航ミサイルなどに関心が集まっているが、対潜水艦哨戒能力の強化は中国海軍の活動を抑止する上で大変重要である。
 日本の抗議に対して、中国側は海自艦が中国の接続水域に入ったと逆に批判している。尖閣防衛は中国のプロパガンダとの戦いでもあると認識したい。

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