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【茨城新聞】 観光立国 国際観光を主要産業に

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2017年に日本を訪れた外国人旅行者数は前年より2割程度伸び、2800万人台に達する見通しとなっている。世界的にも格安航空会社(LCC)の普及や海外旅行に行ける所得層の拡大で旅行ブームである。このペースが続けば、20年に訪日客4千万人という政府目標も達成できるかもしれない。
外国人観光客が多く訪れる都市の地価が上昇し、地方に向かう人も増えてきた。国際観光には、日本経済をけん引し、地域活性化の起爆剤になってほしいという期待がある。勢いのある今こそ課題を解決し、主要産業に育てなければならない。
まず宿泊できる旅行者数を増やすべきだ。シティーホテルやビジネスホテルの客室稼働率は全国平均で8割程度であり、東京、名古屋、大阪、福岡などの大都市とその周辺では満杯に近い状態が続いている。新施設の整備を促したい。
旅館の稼働率は高くて5〜6割台と余裕がある。立地やサービスにより、外国人が利用しにくい面もあるからだ。業界での協力や他業種からの参入を促し、積極的な設備投資などを後押しすることが求められる。
マンションやアパートの空き部屋に旅行者を泊める「民泊」も今年6月から解禁される。民泊については、住宅地やマンションの平穏が乱されるといった懸念も強い。観光と住民生活とのバランスをどう取るかは難しい問題だ。
自治体は、地域住民との対話を通じ、どの地区なら民泊を受け入れられるのかといった点も考慮しながら、宿泊ルールを条例で明確にする。同時に、違法な民泊がないように監視を強める必要があるだろう。
訪日客が多い国を見ると、中国、韓国、台湾、香港の東アジアで全体の7割以上を占めている。LCCやクルーズ船の就航が大きく貢献している。ただ、領土などを巡る外交問題が深刻化すると、中国や韓国からの観光客が急に減ることが過去にあった。
一つの地域に頼っていると、国際関係や景気動向の影響を受けすい。タイやインドネシア、インドなど他のアジア諸国や欧米からの旅行者を増やすことで、変動のリスクをあらかじめ軽減することも重要だ。
政府は日本人も含め出国者から1人千円ずつを徴収する「国際観光旅客税」を来年からスタートさせる。税収を使って、空港などの出入国手続きをスムーズにするためゲートの自動化や職員増を図るという。
空港で何十分も待たせては次回の旅行先に選ばれない恐れもあり、使途は理解できる。日本の魅力に関する情報発信や、体験型観光の満足度向上にも充てるという。
しかし、観光客が増えているのは、北海道のように自ら海外に売り込みブランド化に成功した所や、インターネットを使った映像による宣伝、LCCの誘致など、独自で工夫している自治体が目立つ。新税は、国主導で配るのではなく、自治体側の創意工夫を支援する使い方にすべきだ。
都市部では、食事以外の夜の娯楽を求める旅行者も増えている。文化施設の公開やエンターテインメントの充実、それを支える公共交通機関の終夜運転も考える時期に来ている。食べ物や歴史的な遺産に加えて、日本らしい夜の楽しみ方も開発していきたい。
(2018.1.13)

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