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【東奥日報】 全ての大学で総点検を/大阪大入試ミス

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 きょうから2日間、大学入試センター試験が全国一斉に行われる。58万2千人余りが志願、本県でも5市の9試験場で実施され、4596人が試験に挑む。一人一人が全力を発揮できるよう願う。
 入試シーズンが本番を迎えるが、それを前にあってはならないことが起きた。大阪大が昨年2月に実施した入試の物理科目で出題と採点にミスがあり、本来合格していた30人が不合格となっていた。
 「受験生の将来に極めて大きな影響を及ぼした」と大阪大は謝罪、30人を新たに合格させた。希望者には今年4月の入学を認め、他大学から2年生への転入などについて対応を進めるとしている。しかし、遅きに失したと言わざるを得ない。受験生の精神的なショックは大きいはずだ。
 大学入試は受験生の人生を左右しかねない関門だ。入試への不信が広がらないよう、全ての大学が入試問題のチェック態勢などを総点検してほしい。
 大阪大によると、ミスがあったのは物理が必須科目の工学部、基礎工学部、理学部の一部学科の受験生など約3800人が受験した問題。複数の解答が正しかったが、特定の解答のみ正答としていた。この解答を前提にした次の問題も不適切とした。
 昨年6月に高校教員らでつくる「物理教育を考える会」のメンバーからミスを指摘され、昨年8月には予備校講師からメールで同様の指摘があったが、問題作成責任者の理学部教授と副責任者の2人のみで検討し訂正しなかった。
 昨年12月、数式を使い詳細にミスを説明したメールが大学に届き、別の教員4人も加わって検討した結果、誤りに気付いた。
 8月にミスを指摘した予備校講師は教授らの説明に納得せず、ミスを詳しく指摘するメールを再び送った。しかし反応はなく、9月に文部科学省にも対応を求めたという。漏えいの恐れもあり、入試問題作成が厳しく管理されているのは分かるが、もっと早く大学内でミスの情報が共有され、調査に動けなかったかと悔やまれる。
 大学入試のミスは過去にも起きた。少しでもミスの可能性があれば、直ちに組織的な検証に取り組む態勢を取っておかなくてはならない。対応の遅れによって、受験生の将来に大きく影響を与えかねないことをあらためて肝に銘じるべきだ。

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