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【京都新聞】 チケット転売  公正なルール作り急げ

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 インターネットをのぞくと、アイドル・グループの公演チケットが十数万円、定価の何倍もする。手が届かずに涙する若いファンも少なくないだろう。
 チケットを転売する仲介サイトの運営会社元社長と転売業者が、京都府警から詐欺容疑で書類送検された。
 大量にチケットを買い占め高額転売しても、規制する法律がない。府警は詐欺容疑を適用したが、ネット時代に合った法規制を急ぐ必要がある。同時に公正なチケット転売のルールづくりをファンとともに進めたい。
 書類送検された仲介サイト「チケットキャンプ」は国内最大手。大阪の転売業者と共謀し、人気歌手・安室奈美恵さんのコンサートチケットの電子チケットを他人名義で購入し、2倍近い価格で転売した疑いがもたれている。
 この転売業者は人気コンサートのチケットを大量購入して高額転売を繰り返し、約2年半で約32億円の売り上げがあったという。
 一昨年、松任谷由実さんらミュージシャンや業界団体が高額転売に反対する声明を出している。海外でも大物ロック歌手らが高額チケットに抗議の声を上げていた。ファン離れへの危機感からだ。
 しかし、仲介サイト側は「買いたい人が多ければ高額になる」と反論し論争となった。一部のエコノミストは、市場原理によって形成された適正価格、と擁護した。
 そうした主張は実態と遊離していないか。転売業者は特別なソフトを使ってネットに高速アクセスして大量のチケットを買い占め、一般のファンを排除している。公正な市場とはいえまい。
 対策の動きが出てきている。業界団体やサッカーJリーグのクラブチームなどが、定価以上は認めない公式転売サイトを開設している。電子チケットや顔認証システムの導入も進んできた。
 それでも抜け穴がある。ファンクラブの優先チケットを他人名義で入手するのを見抜き、会場で本人確認するのは難しい。都道府県の迷惑防止条例はダフ屋の転売を禁じているが、「公共の場」に限定され、ネットは対象外である。このままでは東京五輪のチケット高騰が心配になる。
 自民党議連はネットによる高額転売の規制骨子を発表、今月の通常国会に法案を提出するという。
 ただ規制だけでなく、高額転売を生む背景にも目を向けたい。チケット購入システムの透明化や多様な価格など、ファンの声に耳を傾け考えてはどうだろう。

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