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【西日本新聞】 米軍ヘリ不時着 政府は当事者意識を持て

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 これはもう異常事態と呼ぶべきだろう。
 今年に入り、沖縄県内で米軍ヘリの不時着が相次いでいる。
 6日、うるま市伊計島の砂浜にUH1ヘリが不時着した。現場は住宅から約100メートルだった。その2日後には、読谷村の廃棄物処分場にAH1攻撃ヘリが不時着した。今度はホテルから約250メートルの距離だった。いずれも米軍普天間飛行場(宜野湾市)の所属だ。
 同飛行場所属機のトラブルは昨年後半から頻発している。10月に輸送ヘリが不時着して炎上し、12月には大型ヘリが操縦席の窓枠を運動場で授業中の児童のすぐそばに落下させたばかりである。
 トラブルは多様な機種に及ぶ。米軍の整備点検体制に問題があるのは明らかだ。航空機の運用に必要な緊張感が欠如している。
 米軍は事故が起きるたびに形ばかりの原因調査を行い、「人為的ミス」などとして飛行を再開するが、これだけ続くのは構造的な要因があるからではないか。
 背景として考えられるのは、国防予算削減による機体の老朽化や要員不足である。北朝鮮情勢の緊迫に伴う訓練激化が事故につながっていると指摘する声もある。
 いずれにせよ、こうした構造的要因を精査して対策を講じない限り、米軍は軍用機を沖縄県民の上に飛ばすべきではない。
 相次ぐ不時着を受け、日本政府は米軍側に再発防止の徹底を要請した。しかし、日米地位協定の制約により主体的な捜査や改善指導の権限を持たない以上、「お願い」にすぎないのが現状である。
 事故のたびに地位協定の問題点が指摘されるが、日本政府は米側に気兼ねして、協定見直しを提案しようともしない。翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事が「日本政府には当事者能力がない。恥ずかしさを感じてもらいたい」と憤るのも当然だ。
 日本政府が米軍の説明をうのみにし、根本的対策のないままに飛行再開を追認する。このパターンを繰り返していれば、いつか重大な事故が起きる。その危険性を政府は理解しているのだろうか。

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