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【公明新聞】 米国の新核兵器政策 軍縮に向けた努力も忘れるな

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米国と旧ソ連の両核保有大国が、1987年に射程500~5500キロメートルの中距離核戦力(INF)の全廃条約を締結し、初めて核軍縮に踏み出して以降、米国の歴代政権が採用してきた核兵器政策は「リード」(核軍縮の主導)と「ヘッジ」(核抑止力の維持)の両立であるとされる。
核兵器を持つ国がある以上、米国も核抑止力を維持するが、核軍縮への世界の努力も主導するという姿勢だ。
それでは、トランプ政権の核兵器政策はどうか。
同政権が2日に発表した米国の中期的な核兵器政策の指針を示す「核態勢の見直し」(NPR)で、核抑止力を一層強化する方針が示された。
「低出力核」と呼ばれる威力を抑えた核弾頭を搭載した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の導入や、オバマ前政権が退役させた、潜水艦や艦艇から発射可能な核巡航ミサイル(自動誘導機能に従って目標に向かって飛行機のように飛ぶミサイル)の再開発にも着手するという。
核兵器の役割低減など「リード」に力点が置かれていたオバマ前政権のNPRに比べると、「ヘッジ」が前面に出ている。
核兵器禁止条約の成立で、核廃絶に向けた国際的な機運が高まっているだけに、突出感は免れない。
背景には、北朝鮮による核・ミサイル開発の進展や、ロシアと中国の核戦力の増強という現状がある。
特に、ロシアは、INF全廃条約違反となる地上発射型の核巡航ミサイルを配備した疑いがあり、これに米国が危機感を募らせ、対抗しようとしている。
とはいえ、核軍拡競争が過熱するような事態は何としても避けなければならない。
見逃してはならないのは、トランプ政権のNPRが「核廃絶という究極的な目標の実現を支える取り組みへの貢献を継続していく」とも明言していることだ。
核保有国と非保有国が協力し、核廃絶を進めるための国際的な検証の仕組みを創出する「核軍縮検証のための国際パートナーシップ」(IPNDV)の推進などが打ち出されている。
「核兵器のない世界」への歩みを止めぬよう、日本は米国の「リード」を促す働き掛けを強めていくべきである。

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