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【河北新報】 平昌五輪きょう開幕/スポーツの公正さ貫きたい

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 平昌冬季五輪がきょう開幕する。冬季としては史上最多の92カ国・地域から2900人余の選手が集う。
 17日間にわたり、トップアスリートたちがスピードと技の限界に挑む「平和の祭典」である。その名にふさわしく公正さや国を超えた連帯が尊ばれる大会であってほしい。
 2大会ぶりに参加する北朝鮮がきのう、首都平壌で軍事パレードを行った。
 五輪を機に韓国との南北対話を進めると言いながら、国際社会を威嚇する行為は許し難い。五輪への冒とくでもあろう。
 にもかかわらず、大会自体は南北融和ムードが強調され世界の注目を集めている。
 開会式では南北が統一旗を掲げ合同行進し、アイスホッケー女子も合同チームで臨む。朝鮮労働党序列2位の金永南氏、金正恩党委員長の妹の金与正(キムヨジョン)氏らが高官代表団として訪韓するという。
 開会式にはペンス米副大統領、安倍晋三首相もそれぞれ北朝鮮問題を意識して出席する。極めて政治色の濃い五輪と言わざるを得ない。
 こうした舞台をつくった国際オリンピック委員会(IOC)にも責任がある。南北両国のオリンピック委員会を交えた会談で、北朝鮮の参加をもろ手を挙げて歓迎。同国の希望を「例外的決定」として受け入れたからだ。
 南北合同チームには北朝鮮選手12人が追加され計35人。1試合ごとに上限の22選手を選ぶが、他国と前提条件が違ってしまった。韓国選手の出場機会も減る。スキーアルペン男子では1枠しかないのに2選手の出場が認められた。ショートトラックでも出場枠を獲得できなかった2選手が参加するという。
 ルールを曲げてまでしてIOCは北朝鮮の参加にこだわった。「世界が一つになれる場は五輪だけ」とバッハ会長は自画自賛したが、公正さを貫いてこそ南北融和の意義が共有できるのではないか。
 巨大イベント化した五輪の温存のため、政治につけ込まれることがあってはなるまい。2020年東京大会でも同様の事態が生じる恐れはある。反面教師とするべきだ。
 開幕前の韓国国内での盛り上がりはいまひとつという。昨年12月の世論調査では「競技場で見る」という人は約5%。先日はボランティア約2千人が辞退した。
 日本でも競技会場の見直しなどつまずきが相次ぎ、国民の関心は必ずしも高いとは言えない。「復興五輪」の位置付けも不透明なままだ。
 国民の参加意識を高めるのが大会成功の鍵。東京の後も22年北京冬季と、アジアでの開催が続く。26年冬季は札幌市が招致を探っている。各都市が手を結び五輪のステップアップを図っていくべきだ。
 スポーツの感動と興奮は公正な運営の下でしか分かち合えない。無心で戦う選手らに熱い声援を送りたい。

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