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【西日本新聞】 改正労働契約法 安定就業を広める契機に

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 今年4月から、契約社員やパート、アルバイトなど有期契約の労働者を対象に、新しい雇用ルールの運用が始まる。
 短期の雇用契約を繰り返しながら、5年を超えて同じ職場で働いてきた有期雇用の人が希望すれば、期間に定めがない無期労働契約に転換できるようになる。
 いつ雇用契約が打ち切られるのか-そんな不安がなくなり、安定した就業が可能だ。人材確保のため積極的に無期契約への移行を図る企業がある一方で、有期労働者を雇用の調整弁と位置付け、無期転換に消極的な企業もある。
 非正規雇用者の待遇改善は「働き方改革」の柱の一つだ。生産性や企業イメージの向上にも欠かせない。企業は新ルールを持続的な人材戦略の好機と捉えてほしい。
 パートや契約社員など有期雇用で働く人は約1500万人に上る。うち約3割は5年を超えて働き、企業には欠かせない人材となっているケースも多い。新ルールはこうした人たちの不安定な働き方を改善するため、2013年に施行された改正労働契約法で権利として規定された。労働者が申し込めば、企業は拒否できない。
 問題なのは新ルールの内容が肝心の当事者たちによく知られていないことだ。連合が昨年、有期契約の労働者に行った調査によると、84%が「内容を知らなかった」と答えた。「有期契約での働き方に不満がある」も44%に達しており、政府や企業、労組は新ルールの周知を急ぐ必要がある。
 もちろん、無期転換ルールは雇用期間の変更で、正社員化に直結するものではない。とはいえ、これを契機に柔軟な働き方を広げたい。一例は「多様な正社員」への転換だ。従来の正社員と比べ職務や勤務地、勤務時間などを限定した働き方で、優秀な人材の定着促進策として期待されている。
 気掛かりなのは、無期転換ルールの適用回避のため、勤続5年を前にした雇い止めや、更新に上限を設ける動きもあることだ。「働き方改革」の精神に逆行することは厳に慎んでもらいたい。

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