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【日経新聞】 農漁村を新たな観光資源に

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 農家や漁業者が宿泊施設を経営する動きが増えてきた。国内外の観光客に農山村の風景や、伝統的な料理を楽しんでもらうことは高い付加価値を生む。農林水産省や観光庁、自治体が協力し、農家の自立や地域の活性化につなげてほしい。
 欧州などでは農家やワイン製造所が宿泊施設を経営し、観光客の長期滞在につなげるアグリツーリズムが定着している。しかし、これまで日本の農漁業政策は食料自給率の向上に重点を置き、観光サービス業の展開はイチゴ狩りなど一部にとどまっていた。
 農村などの風景や暮らしは、訪日外国人旅行者にとって埋もれた観光資源だ。2016年の観光庁の調べでは、訪日旅行者のうち農漁村などを体験した比率は1割に満たない。もっと活用すべきだ。
 兵庫県篠山市では地域活性化の目的で農家が法人組織「集落丸山」を立ち上げ、空いた古民家を改修し、1棟貸しで旅行者に提供している。1人1泊あたりの単価は1万~4万円台と安くはないが、年間600~800人ほどの顧客を集めている。
 宿泊予約サイトを運営する一休によれば、集落丸山のような農山村の宿泊施設は空き家対策も兼ねて各地に誕生している。顧客は昔ながらの民家に滞在し、仲間や家族で囲炉裏を囲んでの食事などに従来の宿泊施設にはない価値を見いだしているという。
 政府は訪日旅行者の拡大策として、農村などを楽しんでもらう「農泊」施設を20年までに全国500地域で展開したい考えだ。農林水産省は農泊事業への補助金支援も17年度から始めた。
 だが、補助金より重要なのは農泊施設の情報を集め、ノウハウを持つ民間企業にも参入してもらい、内外の観光客の要望と結び付けることだ。現状では全国にどのくらいの農泊施設があるのか、十分に把握できていない。
 農業の条件が不利な山間部などで農泊事業をうまくいかせるように、知恵を絞ってほしい。

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