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【北海道新聞】 「北」の訪朝要請 核放棄への道筋が必要

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 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領はきのう、訪韓した北朝鮮の高位級代表団と会談した。
 代表団には、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が心を許す唯一の人物とも言われる妹の金与正(キムヨジョン)氏も含まれ、事実上の首脳級会談となった。
 北朝鮮側は正恩氏の親書を手渡し、文氏の訪朝を要請した。これに対して文氏は「今後、(訪朝のための)条件をつくっていこう」と応じた。
 即答を避けたのは当然である。米国や日本とも協議し、北朝鮮の意図を慎重に分析しなければならない。
 今回の会談では南北双方とも非核化に直接言及しなかったというが、文氏が訪朝して首脳会談を行うのであれば、北朝鮮の核放棄に道筋を付ける必要がある。
 それが、南北対話に警戒感を示す日米両政府の理解を得ることにもなるだろう。
 正恩氏は親書で、南北関係改善への意欲を表明した。
 しかし、北朝鮮は対話を継続しながら、核・ミサイル開発を進めるための時間稼ぎをしているとの指摘がある。
 北朝鮮はこうした疑惑を抱かれないためにも、核放棄に向けて行動を示すべきだ。
 北朝鮮が与正氏を送り込み、対話に積極的な姿勢を見せる背景には、日米韓の足並みの乱れを誘うことや五輪・パラリンピック後に再開予定の米韓合同軍事演習を中止に追い込む狙いもうかがえる。
 仮に文氏が訪朝に応じれば、南北首脳会談は2007年に盧武鉉(ノムヒョン)大統領が金正日(キムジョンイル)総書記との間で行って以来となる。
 前回の首脳会談は朝鮮半島の緊張緩和に一定の成果をあげたとされるが、北朝鮮の核放棄については努力目標にとどまり、国際社会の期待に応えられなかった。
 当時、盧氏の秘書室長として首脳会談の実現に尽力したのが文氏である。同じことを繰り返してはなるまい。
 文氏は今回の会談で「南北関係の発展には米朝対話が必ず必要だ」と述べ、北朝鮮に対米強硬姿勢を改めるよう要請した。
 ペンス米副大統領は先に「最大かつ最も強力な制裁を近く発表する」と表明し、平昌でも北朝鮮関係者との接触を避けた。
 五輪を機に盛り上がった対話の機運をしぼませ、不毛な緊張状態に後戻りしてはならない。
 米朝会談の実現のためにも、北朝鮮が非核化に向けて行動するよう働きかけることが重要だ。

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