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【北海道新聞】 道の鉄路報告書 地元の理解欠かせない

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 JR北海道が単独で維持困難とする路線の見直し問題を巡り、有識者らでつくる道の会議はきのう、将来の方向性を示す報告書「鉄道網のあり方」を公表した。
 宗谷線(名寄―稚内)や石北線(新旭川―網走)の維持を明記する一方、根室線(富良野―新得)を含む4区間は他の交通機関との代替の検討などが適当とした。
 鉄路存廃にもつながる議論に踏み込んだのは、JRと自治体による路線別協議が膠着(こうちゃく)する中、道議会などで道にリーダーシップを求める声が高まったからだ。
 各地の住民には鉄路存続を求める声もある。道は沿線自治体の意向を十分に尊重すべきだ。
 生活、観光、物流をしっかり支えるため、鉄道を含む公共交通網をどう再構築するか。地域への負担の押し付けにならぬよう注意を払いつつ議論を深めたい。
 報告書は、全道を見渡す立場にある道がバスや高速道路の普及状況や利用実態とともに、鉄道の役割を明示している。
 道は、国に中心的役割を担うよう求める一方、JRにも徹底した経営努力を促している。現在の危機は、国鉄分割民営化の際に設けられた経営安定基金の運用益の低迷が発端だ。
 とりわけ国には責任の重さを自覚してもらいたい。
 議論の対象とした12区間のうち、宗谷線と石北線を骨格幹線と位置付け、維持を打ち出した。
 一方、6区間は地域の負担を含め検討とし、花咲線(釧路―根室)、釧網線(東釧路―網走)など3区間は路線維持に「最大限努める」、室蘭線(沼ノ端―岩見沢)など3区間は「努める」とした。
 地元が鉄路を活用する取り組みはもちろん大切だが、花咲線は北方領土隣接地域を結び、観光に寄与する路線も多い。国が政策面から支えるべきではないか。
 根室線(富良野―新得)、留萌線(深川―留萌)、日高線(鵡川―様似)は他の交通機関との代替を含め検討、札沼線(北海道医療大学―新十津川)はバス転換も視野に入れる、と記された。
 たとえば、バスは病院や役場の前にきめ細かく停留所を設置できる一方、学生の定期券が高くなるといった不安もある。
 十分な議論と、地元への丁寧な説明が欠かせない。
 有識者会議の議論を非公開にしたのは疑問だ。この問題では国、JR、道の協議も始まった。道民生活を左右するテーマである。積極的な情報公開を求めたい。

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