Home > 社説 > 地方紙 > 北陸地方 > 富山新聞(富山県) > 【富山新聞】 診療報酬改定 役割増す「かかりつけ医」
E160-TOYAMA

【富山新聞】 診療報酬改定 役割増す「かかりつけ医」

1 点2 点3 点4 点5 点 (まだ投票していません)
Loading...

 医療機関に支払われる診療報酬の改定内容が決まった。4月から適用される改定の柱の一つは、在宅療養の高齢患者の増加に対応するため、身近な「かかりつけ医」の役割を重視し、報酬を厚くしたことである。
 団塊の世代が全員75歳以上となる2025年を見据え、厚生労働省は高齢者が住み慣れた地域で最期まで暮らせる仕組み(地域包括ケアシステム)を目指している。現在、死者の8割近くは病院で亡くなっているが、本格的な「多死社会」になれば病院対応にも限界があり、在宅医療や介護施設でのみとりの体制を強化しなければならない。そうした地域医療体制の中心を担うことが、かかりつけ医に期待されている。
 かかりつけ医は一般に、最新の医療情報を熟知し、患者の生活背景も把握して適切な診療、指導、専門医療機関の紹介など総合的に行える医師と定義される。患者にとっては、何でも相談できる頼りがいのある存在であり、日本医師会の14年の調査では、「かかりつけの医師がいる」と答えた人は5割強に上る。
 かかりつけ医が普及すれば、的確な診療、指導で患者の健康寿命を延ばし、無駄な医療費を抑制することもできる。ただ、かかりつけ医の業務に関する日本医師会の17年調査では▽在宅患者に対する24時間対応▽患者に処方されている全医薬品の管理▽患者が受診している全医療機関の把握などが負担になっているという。
 医師の偏在や開業医の高齢化が問題となる中、かかりつけ医の役割を積極的に果たす医師を確保するには、報酬面での優遇措置だけでなく、患者情報の収集・共有システムなど業務を支援する仕組みづくりも重要であろう。
 また、かかりつけ医として患者に選ばれるには、相応の能力も求められる。日本医師会は、医療だけでなく介護や福祉、保健など総合的な知識がかかりつけ医に必要との認識に立ち、16年度から「かかりつけ医機能研修制度」をスタートさせている。3年間の研修を終えた医師が、かかりつけ医として活動する時が待たれる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。