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【琉球新報】 森友問題で新文書 国税庁長官の証人喚問を

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 大阪市の学校法人「森友学園」に国有地を格安で売却した問題で、新たな文書や音声データが出てきた。疑惑は深まる一方だ。
 解明には、資料の存在を否定してきた佐川宣寿(のぶひさ)国税庁長官(当時の財務省理財局長)の国会招致が必須だ。政府、与党は「終わった話」(自民幹部)とせずに、今国会で事実関係を明らかにすべきだ。
 森友学園問題では、評価額9億5600万円の国有地が、地中のごみ撤去費として8億円余が値引きされた。国民の財産である国有地がなぜ9割引きもされたのか。問題が発覚した昨年来、国会での審議が続いているが、真相が一向に見えてこない。
 佐川氏は理財局長だった昨年2月の衆院予算委員会で、交渉記録は「廃棄した」と繰り返し答弁した。
 会計検査院は昨年11月に「値引き額の根拠が不十分」と指摘した。それでも佐川氏は詳しい説明を避けている。
 今年に入り、近畿財務局の内部文書の存在が判明した。財務省は1月に5件、今月9日に20件の文書を公表した。同省の売却担当者と法務担当者とのやりとりを記した法律相談関連の文書だ。
 文書には、交渉の経緯の詳細や「売買金額は事前調整に努める」との記載もあった。しかし、財務省は「内部の検討資料であり、交渉記録ではない」と強弁している。
 詭弁(きべん)以外の何物でもない。そんな幼稚な説明で国民が了解すると思っているのか。佐川氏の国会答弁との矛盾は明らかで、虚偽答弁である。
 価格協議をしていたとうかがわせる音声データが昨年11月に出てきた際にも、財務省は「価格ではなく金額のやりとり」と釈明した。全く理解不能な言い逃れでしかない。
 佐川氏は昨年7月の長官就任以来、一度も記者会見を開いていない。これを野党に追及された麻生太郎副総理兼財務相は適切な対応だとの認識を示し、「指示するつもりもない」と開き直っている。
 16日から確定申告が始まる。納税者はこの対応に納得が行くだろうか。領収書など書類不備には厳しい税務当局が、「資料は廃棄した」で済ませようとしているトップを抱えていては、徴税業務への影響も懸念される。
 佐川氏は就任後、仙台国税局職員に「公務員に対する国民の目はますます厳しくなっている。行政文書・情報の管理の徹底に特段の配慮をしていただく」と訓示していた。
 その言葉通り、率先垂範して、まずは自ら襟を正して国会の場で矛盾点を説明するのが筋ではないか。
 16日には佐川長官の罷免を求めるデモが東京で予定されている。国民不信が高まる前に、証人喚問で真相を明らかにする責務がある。
 「丁寧に説明する」と公言した安倍晋三首相も、疑惑解明への本気度が見えない。麻生氏や与党も含めて十分な説明責任を果たすべきだ。

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