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【北國新聞】 金箔が無形文化遺産へ 日本の宝を守る石川の匠

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 金沢の金箔(きんぱく)が国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産の候補に選ばれた。国の文化審議会が伝統的な技法の縁付(えんつけ)金箔製造を含む14分野の技術をまとめた「伝統建築工匠(こうしょう)の技」を選定したもので、2020年の登録を目指し、3月末までにユネスコに申請される。国宝などの貴重な文化財の保存修理に欠かせない金沢の金箔の価値が再確認されたといえる。
 申請の対象には縁付金箔製造のほか、宮大工や左官などが受け継ぐ伝統的な木造建造物の修理技術が選ばれた。県内には金沢城の「平成の築城」に携わった職人たちが伝統的な技を受け継いでおり、無形文化遺産候補は技術向上の励みにもなるだろう。登録実現に向けて、日本の宝を守る石川の匠(たくみ)を周知して、技の継承と後継者育成の機運を高めたい。
 金沢の金箔は国内生産量の99%を占め、このうち特殊な手すき和紙を用いる縁付金箔は藩政期からの高品質の金箔づくりの技を伝えてきた。国宝をはじめ多くの歴史的建造物の修復などに使用されてきたが、近年は職人の減少と高齢化、道具や素材の確保などが課題となっている。
 技術の保存団体として金沢金箔伝統技術保存会が設立され、14年に国の選定保存技術に認定された。さらに、無形文化遺産の候補に選ばれたことで、品質の維持、向上や安定供給に努める責任も一層大きくなったといえよう。手間をかけた縁付金箔の認知度を高めて、需要の拡大や担い手づくりにつなげていきたい。
 大工や左官などの伝統的技術については、県内では金沢城の菱櫓(ひしやぐら)や五十間長屋などの復元工事に携わった9団体で「石川の伝統的建造技術を伝える会」が作られ、研修会などを通じて技の継承を図っている。「金沢城跡」は08年に国史跡に指定され、職人の技が加賀百万石の歴史文化遺産の価値と魅力を高めた。
 また、歴史的建造物や寺社などが多い金沢市には金沢職人大学校があり、職人の育成に取り組んでいる。伝統的な街並みを守る職人の技は金沢、石川の財産であり、職人の活躍の場が広がるように官民で支援したい。

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