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【富山新聞】 仮想通貨の規制 国際的な議論進める時

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 仮想通貨に関する議論が、3月に開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で行われる見通しとなった。仮想通貨の普及は、新たなビジネスの可能性を広げる一方で、価格の乱高下で金融システムが混乱するリスクがつきまとい、不正な資金洗浄(マネーロンダリング)やテロ組織の資金調達などに悪用される懸念も強い。仮想通貨が犯罪の温床にならないよう、規制のあり方について国際的な議論を進める時である。
 仮想通貨の利用に関する国際的な統一ルールや法律はなく、規制のあり方は各国で異なる。過激派組織「イスラム国」(IS)が資金調達に仮想通貨を利用している疑いがかねて指摘されるが、実際に米国では昨年末、ビットコインなどの仮想通貨で約15万ドルをISに送金したとして女性が起訴されたという。また、韓国の情報機関・国家情報院は先ごろ、北朝鮮が韓国の仮想通貨交換所にサイバー攻撃をかけ、数百億ウォン(数十億円)規模の仮想通貨を奪取したと国会に報告している。
 日本は昨年、仮想通貨交換などの業務を登録業者に限定する改正資金決済法を施行し、マネーロンダリング対策として、口座開設時の確認義務や疑わしい取引の届出義務などを業者に課している。
 こうした規制法を持たない国が多い一方で、仮想通貨の規制を強化している国もある。代表的な例は中国で、企業が独自の仮想通貨を発行して事業資金を調達する新たな手法(新規仮想通貨公開=ICO)を、違法な金融活動として禁止している。また、ブラジルは今年に入り、同国内のファンドが仮想通貨に直接投資するのを禁じると発表した。
 これに対して、エストニアのように国家として独自の仮想通貨の発行を構想している国もある。エストニアは、外国人にもインターネット上で自国民と同等の行政サービスを提供する「電子居住権」制度を導入するなど、先進的な電子政府をめざしている。仮想通貨に対する姿勢は国によって異なるが、犯罪防止のための国際的な規制は共通の課題である。

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