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【信濃毎日新聞】 太陽光発電 普及する環境を整えよ

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 一方的に自立を促すだけでは競争力は向上しない。
 太陽光発電などの再生可能エネルギーである。固定価格買い取り制度の来年度の価格が決まった。事業者向けの太陽光発電の価格(出力10キロワット以上)は、現在の1キロワット時当たり21円から18円に引き下げられる。制度が始まった2012年度の半額以下になる。
 価格引き下げで国内事業者にコスト削減などを促すという。買い取り価格が電気料金に上乗せされている家庭や企業の負担を軽くする狙いもある。
 価格はこれまで年1回、引き下げられてきた。事業者の淘汰(とうた)も進み、昨年の太陽光発電事業者の倒産件数は過去最多だった。太陽光パネルの国内出荷量は14年度をピークに減少が続き、16年度は14年度比で3割超減少した。
 太陽光の設備導入にかかるコストも徐々に低下している。家計の負担軽減の面からも価格を引き下げていく方向性は理解できる。
 それでも、価格引き下げで自助努力を求めるだけでは、業界の体力を奪うだけである。
 国内の発電費用は、海外に比べ割高になっている。太陽光発電ではドイツやフランスの約2倍とされる。その要因はさまざまだ。
 資源エネルギー庁などが事務局となった太陽光発電競争力強化研究会は、16年10月に報告書をまとめている。
 それによると、システムの価格だけでなく、設置工事の価格も欧州の約2倍だ。多層の下請け構造や複雑な流通ルート、欧州に比べて割高な保守管理費用なども、コストを引き上げているという。
 事業者の努力に加え、政府や産業界、学会の技術開発支援や規制緩和が欠かせない。保守管理の運用基準も明確にする必要がある。
 電力会社の送電線運用も見直し、空き容量を有効活用して再生可能エネルギーを効率的に受け入れる仕組みも早急に導入しなければならない。
 世界では太陽光発電の導入量が急増している。1970年代から世界の発電装置の生産をリードしてきた国内メーカーは中国メーカーに遅れを取り、15年の出荷量では世界の上位10社にも入っていない。輸出量も年々減少し、競争力は失われつつある。
 太陽光発電などの普及は、現在約7%のエネルギー自給率の向上につながるだけでなく、温暖化も防止できる。政府が再生可能エネルギーの拡大方針を明確にして、コスト削減と普及に向けた環境を整えることが求められている。 (2月13日)

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