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【京都新聞】 滋賀県予算案  湖国の「健康」どう実現

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 滋賀県は2018年度の当初予算案を発表した。今夏、任期満了を迎え、再選出馬の意向を固めている三日月大造知事にとっては、1期目の仕上げと同時に将来へつなげたい予算編成だ。
 独自色として「健康しが」の推進を掲げ、「高齢になっても能力を最大限に生かす、全世代で社会をつくる」としている。
 一般会計は5369億円で、前年度当初比0・5%増とほぼ同規模になった。「健康」は、昨年、県の平均寿命が全国で男性1位、女性4位となったことを受け、滋賀の強みとして打ち出した。
 県は、背景に喫煙率の低さ、ボランティア行動者率やスポーツ行動者率の高さがあるとみる。今後そうした要素の相関関係や、社会的要因、環境などがどう影響しているかを調査し、健康長寿の秘密を解き明かすという。企業やNPO、大学、地域団体、自治体などが連携する官民会議を新設し、県内外へ発信する狙いだ。
 長く男性の平均寿命1位だった長野県は、県民あげての健康づくりを施策に取り入れ、長寿県として知られるようになった。長野の後追いではなく、滋賀の風土を生かした健康立県を考えてほしい。
 三日月知事は「人の健康」に加えて、琵琶湖を守り、活(い)かす「自然の健康」、河川の改修や道路交通ネットワークの整備など「社会の健康」の三つを挙げている。
 具体例として▽琵琶湖と共生する農林水産業の世界農業遺産認定を目指すプロジェクト▽琵琶湖を自転車で一周する「ビワイチ」の受け入れ環境の整備▽県産農畜産物のブランド力向上-などの事業を組んだ。
 中でも、環境に配慮した農業の推進を重視する。これまで、県は農薬と化学肥料の使用量を半分以下に抑える「環境こだわり農業」を進めてきたが、今後は全く使用しない有機農業を水稲と茶で強化する。難しいとされる栽培技術の確立や販路の開拓を、生産者に代わって県が担う。特に茶は、近江牛に続く国際ブランドとして成長が期待されているだけに、生産者の励みになろう。
 財源不足はやや圧縮したが、貯金に当たる基金を取り崩し、借金となる県債で穴埋めした。
 財政改善の特効薬はない。24年の滋賀国体、新生美術館の改修など大型事業を控え、知事の裁量の幅は限られている。予算案に盛られた施策を、どう滋賀の未来につなげていくのか。実現のプロセスを見極めねばならない。

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