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【毎日新聞】 公用電子メールの管理 自動廃棄では検証できぬ

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 公用電子メールを短期に廃棄するようなやり方では、行政の意思決定を検証できないのではないか。
 公用メールを中央省庁が自動廃棄している実態が、野党議員の質問主意書に対する政府の答弁書で明らかになった。財務省は2009年から送受信の60日後に廃棄していた。
 麻生太郎財務相は衆院予算委員会で、サーバーの容量をメール削除の理由に挙げ、「必要なものは適切に保存している」と、自動廃棄を取りやめる考えのないことを示した。
 公文書管理法と情報公開法は、職員が職務上作成し、組織的に用いるために保有する公文書の適正な管理や公開を義務付けている。メールなどの電子情報も公文書に含まれる。
 管理法に基づく文書管理のガイドライン(指針)は、行政の意思決定の跡付けや検証のために文書を作成することを求めている。公文書は原則、1年以上保存される。
 しかし行政の現場では、メールの多くが公文書として扱われていないことが、本紙報道で判明した。個人で私的メモと判断したり、消去したりしている、と官僚が証言した。
 麻生氏が述べるように、短時間に必要なメールが選別され保存されているかは疑わしい。学校法人・森友学園の国有地売却問題では、交渉の経過が分かるメールが確認できず、妥当性の検証を妨げている。
 各省庁では、メールの利用が急増しており、国会議員からの照会や、それへの対応なども含まれる。将来はさらに重要性を増すと想定され、個人管理のままにしておくと貴重な記録が失われる恐れが大きい。
 米国では、「開かれた政府」を掲げるオバマ政権で電子記録やメールの管理が進んだ。幹部職員が公用のアカウントで送受信したメールが、自動的に管理されるようになった。
 一方日本では、有識者でつくる公文書管理委員会が11年の管理法施行から5年後の見直しの中で電子文書の管理を課題に挙げている。
 公文書は「国民共有の知的資源」である。各府省は4月の施行を目指し、記録を安易に廃棄しないよう改正されたガイドラインに沿い、文書管理規則を作ることになっている。
 安倍晋三首相は公用メールを巡る保存と公開のルール作りにも本腰を入れ、公文書管理を先導すべきだ。

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