Home > 社説 > 全国紙 > 産経新聞 > 【産経新聞】 日本選手と薬物 摂取経緯を徹底調査せよ
E030-SANKEI

【産経新聞】 日本選手と薬物 摂取経緯を徹底調査せよ

1 点2 点3 点4 点5 点 (まだ投票していません)
Loading...

 平昌五輪でスピードスケートの高木美帆が銀メダルに輝き、スキージャンプの高梨沙羅、モーグルの原大智が銅メダルを獲得した。そんなメダルラッシュの快挙に水を差す不祥事である。
 スピードスケート・ショートトラック男子代表の斎藤慧がドーピング検査で禁止物質「アセタゾラミド」に陽性反応を示し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)の反ドーピング部門は暫定で資格停止処分とした。斎藤はすでに選手村を退去した。
 違反が確定すれば、冬季五輪の日本勢では史上初となる。ドーピング問題における高潔、クリーンさは日本スポーツ界の誇りだったはずだが、もはやそうした評価にあぐらをかける状況にない。
 再発防止のためにも、まず徹底した調査が必要だ。
 2020年東京五輪を目指すカヌーの日本代表候補がライバル選手の飲料に禁止薬物を混入させる信じがたい不祥事が発覚したばかりでもある。
 斎藤は潔白を主張し、「偶発的に起きた出来事により無自覚のまま口に入ったとしか考えられない」としているが、ドーピング検査は厳格である。禁止物質に陽性反応が出た事実は動かない。
 利尿作用がある「アセタゾラミド」は、筋肉増強剤の使用を隠す場合に使用されることがあり、禁止指定の薬物としては、よく知られた存在である。
 斎藤も無意識に摂取することがないよう、処方される薬は事前に専門家に相談し、日常の食事や飲み物にも気をつけていたという。CASは審理手続きを継続し、平昌大会の終了後に最終的な裁定結果を出す。
 禁止物質摂取の経緯が判明しなければ、斎藤の主張を証明することも、再発防止に資することもできない。日本選手団の対応に世界が注目している。
 ドーピングは、スポーツの公正性や五輪の価値を毀損(きそん)する。ソチ五輪における国のドーピング関与を認めないロシアは平昌五輪に自国選手団を送り込むことができない。潔白が証明された選手が個人の資格で参加するのみだ。
 東京五輪招致に際しては、ドーピング問題での日本のクリーンさが強調され、開催決定の決め手ともなった。胸を張って大会を迎えられるよう、調査に力を尽くしてほしい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。