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【朝日新聞】 森友問題 佐川氏招致は不可欠だ

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 森友学園への国有地売却問題を、野党がきのうの衆院予算委員会で改めてただした。
 焦点は、昨年の通常国会で、学園との交渉記録を「すべて廃棄した」と繰り返した財務省の佐川宣寿(のぶひさ)・前理財局長(現国税庁長官)の答弁の正当性だ。
 財務省は学園側との交渉経過が含まれる内部文書を1月に5件、先週には20件公表した。
 佐川氏の虚偽答弁の疑いが強まるなかで、驚かされたのは麻生財務相の説明である。
 「あくまでも(省内での)法律相談であって、面会記録ではない」というのだが、一連の文書に交渉の過程が記されている事実は否定しようがない。
 佐川氏は、学園側と価格交渉を事前にしたことはないとも答弁してきた。これに関しても近畿財務局職員が「ゼロに近い金額まで努力する」と述べていた音声データが明らかになり、後任の太田充理財局長は「価格」ではなく「金額」のやりとりだと無理な答弁をしている。
 会計検査院が昨年11月、国会に提出した報告書には文書の内容は反映されていない。財務省が検査院の調査に間に合うように出さなかったからだ。
 佐川氏はなぜ国会で、国民を欺くような答弁を重ねたのか。財務省の組織ぐるみでの情報隠蔽(いんぺい)はなかったのか。真相解明には佐川氏本人を国会に呼び、説明を求めることが不可欠だ。
 理財局長は国民共有の財産を管理し、処分する責任者だ。佐川氏はその理財局長としての答弁の適正性が疑われている。さらにいまは納税者に向き合う徴税組織のトップ、国税庁長官である。
 その佐川氏が国民の代表である国会議員に、明らかに事実と異なる答弁を繰り返していた。自らきちんと説明することなしに、納税者の理解を得られるとは思えない。
 16日には所得税の確定申告が始まる。麻生氏はきのうの予算委で、苦情などの支障が「十分にあり得ると思っておかないといけない」と認めた。
 一方で、麻生氏はきのうも佐川氏の長官起用について「適材適所」と語った。安倍首相も「財務相が答弁した通り」と答えた。納税者と省内人事のどっちを向いているのか。
 森友問題が問いかけるのは、一人の財務省局長の答弁が虚偽だったか否かにとどまらない。
 行政が公平・公正に行われているか。国民の「知る権利」にこたえようとしているか。
 麻生氏はもちろん、安倍首相をはじめ政権全体の姿勢が問われている。

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