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【徳島新聞】   平昌メダル相次ぐ   困難を乗り越えた証しだ  

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 うれしい日本勢のメダルラッシュである。大きな拍手を送るとともに、喜びを分かち合いたい。
 
 
 平昌冬季五輪でスピードスケート女子1500メートルの高木美帆選手が銀メダル、ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅選手が銅メダル、フリースタイルスキー男子モーグルの原大智選手が銅メダルを獲得した。
 
 言うまでもなく、努力と鍛錬のたまものだ。それぞれが困難を乗り越え、つかんだ価値あるメダルである。
 
 中でも、優勝候補の筆頭として出場した前回ソチ五輪で4位に終わった高梨選手にとって、初めてのメダルは格別だっただろう。
 
 ワールドカップ(W杯)では、昨季までに史上最多に並ぶ通算53勝を挙げ、個人総合で4度優勝した日本のエースである。そうした実績がある一方で、男子に比べて歴史の浅い競技の第一人者として背負う使命感や重圧は、相当のものがあったはずだ。
 
 「最後は暗示をかけるように、今までやってきたことを思い返した」と話したが、高い飛行曲線を描いて、1回目と同じ103・5メートルに着地。そのジャンプには、成長の跡が刻まれていたといえる。今後も大いに楽しみだ。
 
 一歩一歩、羽ばたくようなイメージでリンクを疾走―。スピードスケートで2大会ぶりのメダルであり、女子の個人種目で初の銀に輝いた高木選手の偉業をたたえたい。
 フォームを改造し、脚力を鍛え、滑走中のバランス感覚を磨き抜いてきたという。その成果が存分に表れた。
 
 金メダルのイレイン・ブスト選手との差は0秒20と、わずかだった。高木選手も「タイムを見て金メダルを逃したという実感が湧いてきた。うれし涙よりも悔し涙の方が強い」と語ったが、届かないと思われてきた最強国のエースとの互角の戦いぶりは、記録にも記憶にも残る。
 
 感動と力をもらった人は多かろう。世界の頂が、はっきりと見えてきた。
 
 特筆されるのは、フリースタイルスキー男子で初のメダル獲得となった原選手の快挙である。日本勢で1人だけ決勝3回目に進んで、美しいエア(空中技)を決め、会心の滑りを見せた。
 
 銅メダルを獲得して、「これが初めての表彰台。もう心がいっぱいです」と笑ったのが印象的だ。
 
 どっしりした下半身から、板の先を下へ、下へと向けて加速する滑りが持ち味だ。それを磨いたのは、中学卒業後に留学したモーグルの強豪国カナダだったのだろう。
 
 今大会に向けて、取り組んだのは苦手なエアだった。留学させてくれた両親のためにも、という強い思いが、白く輝く急斜面での躍動につながったに違いない。
 
 25日まで続く競技では、日本勢の活躍が期待される。極寒の中だが、選手たちには、これまで培ってきた力を発揮してもらいたい。

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