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【京都新聞】 「森友」新文書  際立つ政府の不誠実さ

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 国民の理解を得られるとは到底思えない政府答弁だ。
 学校法人森友学園への国有地売却問題で財務省が公表した20件の新文書をめぐり、衆院予算委員会で論戦があった。学園側との交渉記録を「廃棄した」とする佐川宣寿・前理財局長(現国税庁長官)の説明との矛盾を野党がただしたのに対し、麻生太郎財務相は、新文書は交渉記録にあたらないとの考えを強調。安倍晋三首相も佐川氏の更迭は不要との認識を示した。
 新文書には、国有地の売買契約の前に定期借地契約を学園と結ぶにあたり、財務省近畿財務局の国有地担当者と法務担当者が重ねた法的な検討内容が記されている。いわば法律相談の文書であって学園側との面会記録ではない、というのが政府の主張だ。
 だが300枚を超える文書には、借地契約に至る経緯が詳細に書かれている。学園側の意向を踏まえた財務局の対応が具体的に分かる資料であり、交渉記録でないと強弁するのは不誠実だ。
 そもそもなぜ、こうした文書が今ごろ出てくるのか。財務省は、大学教授からの情報公開請求に対応する中で見つけたとする文書5件を1月に公表したのに続き、20件を今月明らかにした。国会が国有地問題を最初に取り上げてから1年近い。再三の文書要求にもかかわらず、昨年秋の大学教授の請求がきっかけでようやく「見つかった」のなら、あまりにお粗末な文書管理というほかない。
 結果として、昨年11月の会計検査院による国有地売却の検査報告書に、今回の計25件の文書は反映されなかった。財務省はうち5件を報告書発表の前日に検査院に提出したが、当時開会中だった特別国会では一切説明をしなかった。
 こうした対応は国会軽視との批判を免れまい。意図的な隠蔽(いんぺい)ではないか、他にも重要な文書が省内に眠っているのではないかとの疑念も湧く。
 佐川氏を国会招致すべきとの声は、共同通信の世論調査で66・8%に上る。しかし、説明責任を果たさせるべき安倍首相が指導力を発揮する気配はない。きのうの麻生氏の「今後(文書開示の)要請があり、仮に該当する資料があれば提出に向けて努力する」との答弁からも当事者意識は感じられない。
 首相の妻、昭恵氏が売却交渉に関与した可能性をうかがわせる音声データも新たに明らかになっている。公の場での関係者の説明を求める国民の声に、政府・与党は真摯(しんし)に応えるべきだ。

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