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【福島民報】 【浜通り復興】人の流れつくり出せ

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 浜通り地方に今年、復興の要になる重要施設が相次いで誕生する。3月10日に東北中央自動車道「相馬福島道路」のうち相馬市の相馬玉野インターチェンジ(IC)と伊達市の霊山IC間17.0キロが開通する。7月には楢葉、広野両町にまたがるJヴィレッジの主要部分が再開する。いかに地域の再生に生かすのか。まずは人の流れをつくり出さねばなるまい。
 相馬福島道路の延伸の意味は相馬地方と県北地方の時間的な距離を縮めるだけにとどまらない。2年後に全線開通すれば常磐、東北、磐越の各自動車道との高速交通網が完成し、浜通り地方の人とモノの流れを大きく変える可能性がある。企業の誘致・集積、農林水産物の流通拡大、広域観光ルートの設定などが想定される。
 Jヴィレッジの果たす役割も東京電力福島第一原発事故以前よりも大きくなる。国内有数のサッカーのトレーニング施設であると同時に、新たな宿泊棟の整備で会議場としての機能が強化される。帰還困難区域によって南北に分断されている双葉地方の南側には数少ない機能であり、スポーツ関係だけでなく、一般の会議や研修などの受け入れも可能になる。
 浜通り地方の復旧・復興に最も必要なことの一つは人の流れをつくり出すことだ。人が動けば、さまざまな需要が生まれ、にぎわいが創出できるだろう。2020年の東京五輪に合わせて双葉町と浪江町にまたがる沿岸エリアに復興祈念公園とアーカイブ(記録庫)拠点施設もオープンし、国内外の人に復興の歩みを発信する「ホープツーリズム」を推進する環境が整う。ただ、原発事故の影響はいまだに残り、道路や施設・設備を整えただけでは不十分だ。
 集客イベントも必要だが、週末だけの一過性の企画では効果に限りがある。平日を含め人を積極的に呼び込み、浜通り地方の復興拠点や観光施設などを巡ってもらう仕組みを官民挙げて構築する必要がある。会議、視察、研修、スポーツなど訪れる目的、宿泊の有無や場所に応じたプランの提案ができるワンストップの受け入れ窓口を創設できないものか。
 浜通り地方には復興関連の施設が数多く整備されている。高速交通網を活用し、広域的な視点でそれぞれをいかに有機的に結び付けるのか。次の一手が重要だ。下手をすれば、地元の復旧・復興に何ら役に立たないばかりでなく、将来的に「お荷物」になりかねない。準備は早いに越したことはない。(早川正也)

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