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【日経新聞】 息長い景気回復に慢心せず改革進めよ

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 内閣府が発表した2017年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.1%増、年率換算で0.5%増だった。
 プラス成長は8四半期連続で、内閣府は1980年以降の基準では約28年ぶりの長さになったとしている。政府は息長い景気回復に慢心せず、経済の基礎体力を高める構造改革に全力を挙げなければならない。
 10~12月期の実質成長率は民需主導だった。台風や長雨といった天候不順に見舞われた7~9月期の反動もあり、個人消費が前期比でプラスに転じた。設備投資も5四半期連続で増えた。
 外需はマイナスの寄与になったとはいえ、個人消費の持ち直しで輸入が増えた表れでもあり、過度に悲観する必要はない。民間予測の中央値(年率0.9%増)を下回ったものの、全体として中身はそれほど悪くない。
 雇用環境の改善は続き、企業収益は過去最高水準にある。国外に目を転じると、米欧や中国など新興国の景気はそろって回復している。こうした外部環境にも支えられ、日本経済はひとまず回復基調を保つとみておきたい。
 やや気になるのは、賃金の総額を示す雇用者報酬が実質ベースで前期比マイナスに転じたことだ。前年同期比の伸びも鈍った。
 企業が賃上げなどで従業員に十分に還元しないと個人消費は伸び悩み、持続的な物価上昇も期待できなくなる。確実なデフレ脱却に向け、春季労使交渉では収益力が高まった企業は例年以上の賃上げに踏み込んでほしい。
 米国のインフレ加速の予測を背景に、金融市場では一時、世界同時株安がすすむなど神経質な動きが続いている。円高や株安が続けば日本経済に大きな影響を与えるだけに、政府・日銀は市場動向への警戒を怠ってはならない。
 政府は景気が良好な今こそ構造改革を加速すべきだ。16年度の成長戦略でめざした重要項目のうち、18年1月時点で4割が目標に届いていなかった。サービス産業や農業の生産性を高める取り組みは不十分だ。潜在成長率を高める規制改革に足踏みは許されない。
 少子高齢化に伴う将来不安を払拭することも、持続的な個人消費のカギを握る。政府はそのためにも医療・介護・年金などの社会保障制度の抜本改革に早急に着手してほしい。

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