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【日経新聞】 仮想通貨取引にリスク意識を

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 ネット上で流通する仮想通貨をめぐる問題が続発している。金融庁は今週、「無登録」のまま、日本で営業していた海外の仮想通貨交換会社に対し、初の警告書を出した。先月には顧客の資産管理がずさんだった「みなし登録」の国内大手交換会社コインチェックが外部のハッキングを受け、580億円相当の仮想通貨が流出した。
 国の信用や資産の裏付けがない仮想通貨の相場は投資指標にも乏しく、異様な乱高下が続いている。投資家は仮想通貨取引が潜在的に抱える様々なリスクをしっかりと認識する必要がある。
 昨年施行した改正資金決済法は取引の安全性や透明性を高めるため、交換会社の「登録制」を世界に先駆けて導入した。マカオを拠点とするブロックチェーンラボラトリー社は、登録手続きをせずに仮想通貨技術を使った投資商品などの勧誘をしており、金融庁は放置すれば投資家が不測の損害を被る恐れがあると判断した。
 だが金融庁の対応はあくまで「警告」にとどまる。ほかにも複数の内外業者が未登録のまま国内で活動しているが、警告の効果は不明だ。国境をまたいで取引される仮想通貨に関連した国際的な監督・監視体制は未整備だ。各国独自の規制だけでは対応に限界があり、横断的な連携を強める段階だ。
 国内で現在営業を認められている交換会社は32社。そのうち16社はまだセキュリティー体制などの登録審査を通過しておらず、みなし業者の位置づけだ。金融庁はホームページを通じて、取引するにあたって登録業者かどうかを確認するよう求めている。
 効率的な送金や決済など仮想通貨には金融の技術革新を促す期待がある。だが現状では投機的な取引が大半だ。代表的なビットコインは年初から半値に急落した。
 金融庁が違法な交換業者を排除し、仮想通貨取引の安全対策の強化に努めるのは当然だ。だが、投資家側もリスクを十分理解し、価格変動については自己責任の原則が問われることに留意すべきだ。

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