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【北國新聞】 自衛隊の災害出動 早めの要請は的確な判断

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 北陸を襲った大雪もようやく峠を越えた。寒気が緩み、青空から注ぐ日差しがまぶしい。ただ、交通網の乱れは完全には解消されておらず、雪との闘いはまだ終わらない。
 先月、能登の広い範囲で発生した断水や石川、福井両県を結ぶ国道8号で発生した車両の立ち往生では、災害出動した自衛隊員が黙々と任務を遂行し、被害の拡大を最小限にとどめた。
 1995年の阪神大震災では、当時の内閣も自治体も自衛隊への災害出動要請が遅れ、早い時点での災害対応ができなかった。その苦い教訓から、能登半島地震や東日本大震災、熊本地震などの大規模災害では早期の出動要請が当たり前になった。
 今回のような極寒の下での断水や車の立ち往生は、深刻さの度合いは大地震などより低いかもしれないが、後手に回れば住民やドライバーの生命が危ぶまれる。危機回避のために、早めに自衛隊の力を借りる発想があって良い。石川、福井両県が災害派遣要請を行ったのは的確な判断だった。
 能登の断水は、輪島市の依頼を受けた石川県が陸上、航空自衛隊に災害派遣を要請した。陸上自衛隊金沢駐屯地と航空自衛隊小松基地から輪島市に隊員17人と大型給水車2台が派遣され、給水を支援した。高齢者の多い能登で、若い隊員たちの支援は、さぞかし心強かっただろう。
 国道8号の立ち往生では、福井県の要請で、金沢市の「第14普通科連隊」など6部隊1100人が出動した。国道の上下線で動けなくなっているトラックなどの数は一時1500台に及び、24時間体制で車両の救出や除雪作業を行った。
 車が数珠つなぎになると、除雪機械が入り込む隙がない。車とその周囲に降り続く雪を人力でかきだすのは一苦労だ。かなりの重労働を強いられ、一般人では体力が続かない。訓練を受けた自衛隊員でなければ、夜を徹して作業するのは難しかっただろう。
 高齢化が進むなか、災害時に自衛隊の力を借りる局面はますます増えるに違いない。今回の給水、除雪作業への尽力に心から感謝し、さらなる献身を望みたい。

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