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【茨城新聞】 増える県内の廃校 求められる活用策

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少子化の進行に伴い、全国的に廃校する学校が増えている。その跡地や校舎をどうするか、県内でも自治体の大きな悩みとなっている。福祉や文教、交流施設、企業や農産物の生産現場など活用例は幾多とある。一方で有効な手だてが見つからない廃校が少なくない。規模や老朽化の度合い、所在地など立地条件が異なり、難題ではあるが、さまざまな事例を参考にしながら地域の実情に合った有効策を講じていきたいところだ。
今月13日、城里町に七会町民センター「アツマーレ」がオープンした。2015年3月で廃校となった旧七会中を改修して再生。役場支所、七会公民館、バーベキュー施設を集約する一方、Jリーグ水戸ホーリーホックのクラブハウス、練習場を備えた複合施設に生まれ変わった。
町役場の支所機能のほか、町民も利用できるトレーニングルームや会議室、食堂、シャワー室、書庫、体育館などがあり、スポーツ、文化の活動拠点として位置付けられた。ホーリーホックの練習拠点としては芝生のサッカーグラウンドが整備され、町民と選手たちとの交流、にぎわいの創出につながることが期待されている。
県内ではこれまでにも廃校を活用したさまざまな事例がある。04年3月に閉校した石岡市の朝日小は木造校舎を生かし、農業や地元の食などを体験できる交流・体験型観光施設「朝日里山学校」となった。常陸大宮市の塩田小(10年3月閉校)は古文書や公文書を保管する文書館に、行方市の大和第三小(13年3月閉校)はサツマイモ加工品や農産物の販売、食事、加工工場見学、農業体験ができる体験型農業テーマパーク「なめがたファーマーズヴィレッジ」として新たなスタートを切った。
高齢者福祉施設、コミュニティーセンター、大学となった例もあれば、歴史的価値からドラマの舞台、文化財になった学校もある。大子町の旧上岡小はNHKの朝の連続テレビ小説のロケ地となり、その木造校舎は旧黒沢中と共に14年、国の登録有形文化財に指定された。町は指定前に文化的価値の高い木造校舎を備える黒沢中の有効活用の道を探ったが、引き合いは少なく、地域の防災拠点を兼ねて太陽光発電を手掛ける企業と賃貸契約を結び活用を図った。
文部科学省の16年5月1日現在の調査によると、02年度から15年度までに全国で廃校となったのは6811校。このうち5943校は施設が現存しており、そのうち活用されているのは約7割の4198校。学校、社会体育、社会教育、文化、福祉、医療施設のほか、企業などが利用している例も9%弱ほどある。県内では、09〜16年度間に義務教育学校を含む小学校数で63校、中学校で11校減少している。
増える廃校の活用は自治体にとって大きな課題だ。文科省は「みんなの廃校プロジェクト」を立ち上げ、希望する自治体の廃校情報を集約、公表し、民間企業や学校法人などへ提供している。自治体独自で取り組んでいるケースもあり、大洗町では現在、3小学校の民間活用を図るため事業者の募集、選定作業を進めている。
公共施設の老朽化対策、活用策は学校に限らず、道路や下水道、公営住宅など幅広く、自治体に重くのしかかる。財政、地域事情を踏まえ、多角的な視点で知恵を絞っていく必要がありそうだ。

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