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【産経新聞】 高校の新指導要領 国の歴史に愛情を持とう

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 高校の歴史教育が見直される。学習指導要領の改定案が公表され、新しい必修科目「歴史総合」の目標として、わが国の歴史への理解とともに、愛情を深めることが明記された。
 戦後教育に欠けていた点である。愛すればこそもっと知りたいという探求心も生まれよう。先人が築いてきた歴史と文化に誇りを持って学べる教科書と授業につなげてもらいたい。
 歴史総合は、明治以降の近現代を中心に、世界の動きの中での日本について学ぶ。現在、高校では世界史を必修とし、選択の日本史を学ばず卒業する生徒が少なくない。近現代は小中学校を通して時間が足りず、あまり教えられないという課題も踏まえたものだ。
 懸念は近現代を扱うにあたり、とくに高校の現行教科書や授業で日本の行為をことさら悪く強調する自虐的傾向が強いことだ。
 新指導要領案では歴史を学ぶ上で「多面的・多角的」な考察を求め、日本の歴史への愛情とともに他国やその文化を尊重する大切さも明記した。もとより歴史と向かい合う謙虚な姿勢が必要だ。
 教科書執筆者も含まれる教員グループが先に発表した高校の歴史用語の「精選案」には、「従軍慰安婦」や「南京大虐殺」といった偏った歴史観に基づく用語が含まれている。
 執筆者と編集者には、新指導要領の真意をよく読みこんで教科書をつくってもらいたい。
 改定にあたり文部科学省は歴史を豊かに学べるよう、用語を削減する規定は設けないという。
 高校の歴史の授業は、用語の暗記に偏り面白くないともいわれてきた。人が歴史をつくってきた。その認識を新たにし、先人が国づくりに悪戦苦闘した人物ドラマなども織り交ぜ、歴史の醍醐味(だいごみ)を知る工夫をこらしてほしい。
 新必修科目「地理総合」とともに、私たちは今どんな時代に生きているか、世界から見てどんな場所で暮らしているのか、十分な知識を土台に生徒が考える「豊かな学び」を実現してほしい。
 規範意識や社会制度などを学ぶ「公共」も必修科目として生まれる。若い世代が国づくりに関心と責任を持てるよう学ぶ意義は大きい。変わる高校教育で、一面的な見方を排し、歴史や時事問題をとらえる教師の識見と指導力も問われている。

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