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【産経新聞】 凍える北半球 温暖化対策のみで十分か

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 列島の広い範囲が低温と猛吹雪で凍えている。例年にない厳しさだ。
 北陸地方など日本海側では多くの地域が記録的な豪雪に苦しんでいる。大雪は今後も続く恐れがある。既に死者も出ているので、十分な警戒と日常生活を維持するための備えが必要だ。
 今冬の大寒波の原因は何だろう。日本の冬が寒くなりやすい海洋の「ラニーニャ現象」との関連で説明されることが多いが、果たしてそれだけか。
 1月の米国ではフロリダ州に約30年ぶりの雪が降った。暴風雪に見舞われた東海岸では4千便以上のフライトが欠航に陥った。首都ワシントン近郊でも観測史上の最低気温を記録している。
 アフリカのサハラ砂漠にも雪が積もった。シベリアでは氷点下65度まで気温が低下した。
 こうした寒さの一因として、約200年ぶりに発生し、今も進行中の太陽磁場の活動低下も考慮に入れるべき時期ではないか。
 太陽物理学者の間では気候への影響を憂慮する声が、10年ほど前から上がっている。
 過去の活動低下期には小氷期が訪れているからだ。1645~1715年ごろと1800年前後の約30年間だ。英国のテムズ川に厚い氷が張っている。
 世界中の気候変動対策は、1990年代から温暖化防止に絞られている。人類の産業活動で大気中の濃度が増した二酸化炭素が気温を上げる温室効果ガスであることは科学的に正しい。地球の気温も右肩上がりになっている。
 だが、そのことと極めて複雑な気候変動のメカニズムの全容解明とは別問題だ。20世紀後半は、17世紀の初頭以降で太陽の活動が最も活発な時期であったことも忘れてはならない事実である。
 世界の温暖化対策を主導する国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、太陽活動の影響を事実上、無視する姿勢に徹している。
 パリ協定で整った二酸化炭素排出削減への機運に水を差される思いがあるのかもしれないが、太陽影響説は真剣な議論に値する学説だ。現象の解明途上で、対立的な異論を数の力で排除しないことが科学の世界では求められる。
 気候変動に対しては、寒冷化の可能性にも目配りを怠らずに取り組む体制が必要だろう。政府と学界に複眼的な視点を求めたい。

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