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【秋田魁新報】 高校での通級指導 小中との連携が重要だ

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 発達障害がある生徒を対象に、通常学級に在籍しながら別室で特別に授業を行う「通級指導」が秋田市の秋田明徳館高校(定時制、通信制)で4月から行われる。文部科学省が新年度から運用開始するのに合わせて導入するもので、県内の高校では初となる。
 通級指導は1993年度に小中学校で導入され、読み書きや計算、対人関係の苦手な児童生徒が通常学級に在籍しながら指導を受けている。本県では2017年度、言語に課題のある児童向けの教室が16小学校、学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの教室が18小学校と9中学校に設置され、計571人が利用している。
 発達障害のある小中学生が全国的に増加していることもあり、通級指導の対象者は16年度で9万8311人と過去最多を更新した。障害の程度は一人一人異なり、それに合わせて特別支援教育も拡充される方向にあるが、小中学校に比べ高校は対応の遅れが指摘されていた。
 そうした中、高校の通級指導が14年度から長野県や新潟県など一部の高校でモデル事業として進められ、16年12月の学校教育法施行規則の改正に伴い、制度化された。障害のある子どもにとって一貫した指導が確保されるかどうかは切実な問題だ。小中学校で行われた通級指導が高校でも継続されるのが望ましい。関係者は通級指導の情報共有を図るなど、小中学校とも連携して対応してほしい。
 指導するのは特別支援教育に関し一定の知識がある教員。本県で唯一明徳館高に導入されるのは、そうした教員がすでに配置されており、他校に比べ特別支援教育態勢が充実しているためだ。初年度は在校生を対象に、選択科目に替えて実施する。
 県教育庁高校教育課によると、発達障害とみられる生徒は県立高校全体で約300人とされるが、通う学校はさまざま。将来的に明徳館高以外でも通級指導が行えるよう、県教育委員会は適切な教員配置に努めたい。
 通級指導には本人や保護者のほか、周囲の理解や協力も必要だ。学校側が通級指導を受けるべきだと思っても、「特に困っていないから」と断られる可能性がある。個別指導に抵抗感があることを踏まえ、自尊心を傷つけないようにする配慮が欠かせない。
 高校時代は自己の確立に向けた大切な時期。自らの障害の内容を認識し、適切な指導を受けながら日ごろの学習や生活に取り組むことで得るものは大きい。卒業後の進学先や就職先を決める上でも意義がある。
 自立を促すには、個々の生徒の状況を把握し、それぞれに合った指導をすることが求められる。担当者任せにせず、学校全体で対応する必要があるだろう。高校での通級指導が、発達障害のある生徒が社会に踏み出すための後押しとなることが期待される。

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