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【西日本新聞】 佐川氏国会招致 政府、与党はなぜ拒むのか

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 何かをごまかすために虚偽を重ねているのではないか-。そう疑われても仕方あるまい。国民の不信が再燃するのも当然である。
 国民の財産である国有地が鑑定価格の86%引きで売却された森友学園問題だ。財務省は新たに2013年9月~15年4月の内部文書20件300枚超を開示した。
 売却の前段となった定期借地契約に関して、財務省近畿財務局の売却担当者と法務担当者のやりとりが記されている。
 麻生太郎財務相は「あくまで法律相談の文書」と説明するが、軟弱地盤だとして賃貸料減額などを求めた学園側の主張が明記されている。売却前提の賃貸では異例の8年という長期契約や賃貸料値引きに至った経緯も分かる。
 事実上の「交渉記録」ではないか。佐川宣寿国税庁長官は昨年、財務省理財局長当時に国会で「交渉記録は全て廃棄した」などと答弁していた。同氏の「賃貸価格を先に伝えて交渉しない」という国会答弁にも疑義が生じた。
 売却を巡っては既に、学園側が「グーンと下げていかなあかんよ」と求め、財務局職員が「ゼロに近い金額まで努力する」と話した音声データも見つかっている。
 佐川氏はどうして、こんな答弁をしたのか。財務省はなぜ、森友学園を特別扱いしたのか。安倍晋三首相の妻昭恵氏が一時、学園が計画した小学校の名誉校長に就いていたことと関係があるのか。
 真相解明の入り口として、野党が佐川氏の証人喚問など国会招致を求めるのは当然だ。共同通信社の今月の世論調査でも66・8%が佐川氏招致が必要と回答した。
 佐川氏は昨年7月の長官就任後、記者会見にも応じず口を閉ざしている。尋ねられたら困ることでもあるのだろうか。あすから始まる確定申告への影響も心配だ。
 政府は「後任局長が答弁する」(麻生氏)との姿勢を崩さず、自民、公明の与党幹部も招致拒否を確認した。佐川氏を懸命に守ろうとすればするほど、政府と与党は国民の信頼を失っていくことに早く気付くべきだ。

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